著者は、大学で哲学教授として勤めるかたわら、20年間非常勤としてフランス語を教えてきた実績がある。大学を退職後は5年以上もパリに滞在しており、フランス語での生活経験も豊かである。
しかし、著者に言わせると、こういう経歴よりも何よりも、大学時代にアルバイトとしてやっていたフランス語の家庭教師の経験が、この本を書くのに非常に役立ったという。
個人に一対一で教える経験と、生徒の精神状態に気を使う習慣とが、独特の方法をあみ出すきっかけになった。
会話には、慣れとか語学力だけでは収まらない、別の要素があるというのが著者の考えだ。それは、「会話する意志」の問題だという。
野球の選手のうちには、自分は「打てる」と自己暗示をかけて打席に入る者が多いそうだ。言葉の世界でも、自分は「話せる」、自分は「わかる」と思い込む精神的な要素が重要な働きをする。
そういう「会話する意志」を重く見るこの本は、まったくの初心者であっても、これ一冊読めば、フランスでの旅行や生活に困らないでも済むだけの会話力が身につくような、意識の改善を目指している。
この一冊によって精神的な方向づけができれば、あとは特別に覚えようという努力をしないでも、最後までただ面白く通読するだけで、何とかフランスで暮らしていけるようになるであろう。
しかも、この本は、単なる間に合わせの手段ではなく、将来のフランス語学習をも視野に入れており、書く力、読む力、聴く力を育てるための初歩的な配慮も忘れてはいない。(CD付き)
この本がどういうものかということを知っていただくために、
無料コーヒーブック「飛行機の中で
読むだけでフランス語会話ができるようになる本─イントロ篇」五部作を読まれることをお勧めしま
す。
五部作の内容は、(1)「困った! 英語が通じない」、(2)「フランス語会話の三種の神器」、(3)「タクシーでの話し方」、(4)「ドロボウ相手の話し方」、(5)「いざ空の旅へ」の五つです。これだけでも役に立つ、重要な情報ばかりです。